
AI英会話で話している最中に着信が来ると、相手の声も自分の声も途切れます。
画面は開いたままなのに、返事が返ってこなくなる。
これはアプリの故障ではなく、端末が音の通り道を通話に回した結果です。
- 着信で音が止まる仕組み(iPhoneとAndroid)
- 通話が終わったあとに会話が戻るかどうか
- 練習の前に着信を止めておく手順
根拠にしたのは、AppleとGoogleが開発者と利用者に向けて出している公式ドキュメントです。
特定のアプリの挙動を約束する記事ではありません。
止まったあとの戻り方は、アプリの作りで変わります。
【結論】着信はAI英会話の音を端末の側で止めている
先に結論を置きます。
| 端末 | 着信が来たとき | 通話のあと |
|---|---|---|
| iPhone | アプリの音声セッションが止められる | 再開の目印を受けて戻すかはアプリの作り |
| Android 12以降(音を出す側) | 再生中の音が消音される | 通話が終わるまで消音のまま |
| Android 10以降(音を拾う側) | 通話がマイクの音を優先して受け取る | アプリは動いたまま無音を受け取ることがある |
3行とも、止めているのはアプリではなく端末です。
だからアプリを替えても着信では止まる。
止まったあとに戻るかどうかだけが、アプリごとに違います。
- 止める=端末(OS)が決める
- 戻す=アプリの作りが決める
- 防ぐ=練習の前に着信を止めておく
3つのうち、使う人の側で手が打てるのは3つ目だけです。
だから練習の前に着信を止めておくのが、いちばん確実です。
手順は後半の見出しにまとめました。
その前に、端末の中で何が起きているかを順に見ます。
AI英会話が着信で止まる仕組みはOSの音の取り合い
iPhoneは音声セッションを中断させる
iPhoneのアプリは、音を出したり拾ったりするときに音声セッション(AVAudioSession)を使います。
電話の着信のようなシステムの知らせが、使用中の音声セッションを中断させる。
中断が始まった時点で、アプリの音声セッションは使えない状態になります。
| 知らせ | 意味 | アプリがやること |
|---|---|---|
| 始まり(began) | 音声セッションが止められた | 画面の表示を止まった状態に合わせる |
| 終わり(ended) | 中断が終わった | 再開してよいかの目印を読む |
| 再開の目印(shouldResume) | 利用者の操作を待たずに戻してよいという合図 | 戻すかどうかを決める |
表のとおり、アプリには中断の始まりと終わりの2種類の知らせが届きます。
Appleのドキュメントは、映画の再生中に電話が来た例で流れを説明しています。
映画の音が小さくなって再生が止まり、着信音が大きくなる。
着信を断ると元のアプリに戻り、映画の音が戻って再生が始まります。
音声を使うアプリなら、AI英会話も同じ仕組みの上で動いています。
iOS 27からは知らせの形が3つに変わった
iOS 27以降では、中断を「止まった」と「再開の勧め」として知らせる3つの通知が用意されました。
- 使える状態になった(didBecomeActiveNotification)
- 使えない状態になった(didBecomeInactiveNotification)
- 再開の勧め(resumptionRecommendationNotification)
新しい形は、中断の終わりの合図が届かなくても、止まったままにならないように作られています。
裏を返すと、古い形では終わりの合図が届かない場合があったということです。
iOS 26以前に向けたアプリは、古い形の知らせ(interruptionNotification)を使います。
どちらの形で受けているかも、アプリの作りで決まります。
Androidは音の持ち主を1つに絞る
Androidには、音声フォーカス(オーディオフォーカス)という仕組みがあります。
音声フォーカスを持てるのは、同時に1つのアプリだけです。
別のアプリがフォーカスを求めると、それまでの持ち主は一時停止するか、音を小さくするよう求められます。
| Androidの版 | 音声フォーカスの扱い |
|---|---|
| Android 12(API level 31)以降 | システムが管理し、着信時は再生中の音を消音する |
| Android 8.0〜11(API level 26〜30) | システムは管理しない(アプリに任される) |
| Android 7.1(API level 25)以前 | システムは管理しない(アプリに任される) |
Android 12以降は、着信を受けた時点で、再生中のアプリの音をシステムが消音できます。
消音の対象は、メディアかゲームとして音を出し、フォーカスを取ったうえで再生しているアプリです。
通話の間も再生を続けていた音は、通話が終わるまで消音されたままです。
Android 11以前では、フォーカスを失ったあとも鳴らし続けるアプリを、システムは止められません。
マイクの音は通話が先に受け取る
Android 10以降は、マイクの入力を優先順位でアプリに配ります。
通話中(MODE_IN_CALL または MODE_IN_COMMUNICATION)は、通話が必ず音を受け取ります。
ふつうのアプリが同時に音を受け取れるのは、ユーザー補助のサービスなど例外の条件に当てはまるときだけです。
優先度の低い側に回ったアプリは、多くの場合動いたまま無音を受け取る。
画面は動いているのに声が届かない状態は、この形で起こりえます。
LINE通話のようなアプリ同士の通話が、どちらの状態で動いているかは、そのアプリの作りによります。
着信のあとAI英会話が戻るかはアプリの作りで分かれる
止めるのは端末ですが、戻すのはアプリです。
- iPhone=終わりの知らせと再開の目印を読んで、アプリが戻す
- Android=フォーカスが戻った知らせ(AUDIOFOCUS_GAIN)を受けて、アプリが戻す
- どちらにも、利用者の操作を待ってから戻す作りがある
Androidでは、フォーカスの失い方が3種類に分かれます。
| 失い方 | アプリがやること | 戻り方 |
|---|---|---|
| 一時的(AUDIOFOCUS_LOSS_TRANSIENT) | 一時停止して、それ以外の状態は保つ | フォーカスが戻れば再開できる |
| 一時的で音を下げてよい(AUDIOFOCUS_LOSS_TRANSIENT_CAN_DUCK) | 音を小さくして続ける | フォーカスが戻れば音量を戻す |
| 恒久的(AUDIOFOCUS_LOSS) | すぐに停止する | 利用者がもう一度再生の操作をする |
恒久的に失ったアプリには、フォーカスが戻った知らせが届きません。
戻すには、利用者が再生ボタンのような操作をする必要があります。
電話の間はフォーカスが固定され、アプリが求めても断られることもある。
待ちを許す作りにしておけば、通話が終わったときにフォーカスが渡されます。
つまり通話のあとに自動で戻るかは、アプリがどの作りを選んだか次第です。
相手がネットの向こうにいる場合は、音の通り道とは別に、つなぎ直しの問題も出ます。
つなぎ直したあとに話が通じなくなる理由は、再接続の記事にまとめました。↓

AI英会話の着信で間違えやすい3点
仕組みの次に多いのが、症状の取り違えです。
- 着信で止まったのを、AIが話し声を聞いて黙った処理だと思う
- 通話のあと黙ったままなのを、通信が切れたせいだと思う
- 集中モードにすれば、どの着信も鳴らないと思う
1つ目は、まったく別の仕組みです。
話し始めた瞬間にAIの声が止まるのは、アプリが自分の判断でやっている処理。
着信で止まるのは、端末が音の通り道ごと取り上げた結果です。
| 症状 | 止めているもの | 見分け方 |
|---|---|---|
| 自分が話した瞬間にAIが黙る | アプリの処理 | 着信が無くても起きる |
| 着信と同時に全部止まる | 端末(OS) | 着信の直後にだけ起きる |
| 通話のあとも黙ったまま | アプリが戻していない | アプリの再開の操作で戻るかを試す |
話し始めた瞬間にAIの声が止まる仕組みは、割り込みの記事にまとめました。↓

2つ目も、通信が原因とは限りません。
Androidで恒久的にフォーカスを失った場合は、利用者が操作するまで再生は戻りません。
3つ目は、モードの中身で決まります。
iPhoneの集中モードでも、許可した連絡先からの着信は届く。
同じ相手から3分以内に2回以上の着信を許可する選択肢もあります。
連絡先で「緊急時は鳴らす」をオンにした相手は、消音中でもサウンドやバイブレーションが出せる設定です。
だからモードを入れても全部が止まるとは限らない。
練習の前に、誰を許可しているかを一度見ておくと安心です。
AI英会話の前に着信を止めておく手順
練習の前にできるのは、着信を知らせない状態にしておくことです。
| 端末 | 使う機能 | 切り替える場所 |
|---|---|---|
| iPhone | 集中モード | コントロールセンター、または設定アプリの「集中モード」 |
| Android 14以上 | サイレント モード | 画面を上から下にスワイプしたクイック設定、または設定アプリの「モード」 |
iPhoneは集中モードで着信を通す相手を選ぶ
設定アプリの「集中モード」から、パーソナルや仕事などのモードを選びます。
「連絡先」で「通知を許可」を選ぶと、届くのは許可した相手からの知らせだけです。
「通知を知らせない」を選ぶと、選んだ相手からの知らせが止まります。
練習の間だけ止めたいなら、許可する相手を最小にしておくのが近道です。
- 通知を許可している連絡先
- 繰り返しの着信を許可するかどうか
- 「緊急時は鳴らす」をオンにした連絡先
iOS 14以降は、着信をバナーで出すか全画面で出すかを利用者が選べます。
バナー表示で、アプリ側が中断を避ける設定(setPrefersNoInterruptionsFromSystemAlerts)をしている場合は、音声セッションが止まるのは着信に出たときだけです。
全画面表示のときは、着信のたびに音声セッションが止まります。
アプリ側がその設定を使っているかは、作りによります。
Androidはサイレント モードの通知フィルタで選ぶ
Android 14以上は、設定アプリの「モード」からサイレント モードを選び、「今すぐ ON にする」をタップします。
通知フィルタの「人物」では、通話をブロックするか許可するかを選ぶ形です。
15分間に同じ相手から2回の電話を通す設定もあります。
「アラームとその他の割り込み」では、アラームやメディアの音をブロックするか許可するかを選べます。
| 持続時間の選び方 | 中身 |
|---|---|
| オフにするまで | 自分で切るまで続く |
| 指定した時間 | 2時間や15分間などから選ぶ |
| 毎回確認 | オンにするたびに長さを聞かれる |
練習の長さに合わせて時間を指定すれば、切り忘れを防げます。
設定の場所はスマートフォンによって異なる場合があります。
見つからないときは、端末のメーカーの案内を見てください。
AI英会話の着信によくある質問
着信を断っただけでも会話は止まるのか
iPhoneを全画面表示で使っている場合は、着信が来た時点で音声セッションが止まります。
断ったあとに会話が戻るかは、アプリの作りによります。
LINE通話でも同じことが起きるのか
Androidは、通話の状態の間、通話にマイクの音を優先して渡します。
個別の通話アプリがどの状態で動いているかは、そのアプリの作りによります。
通話が終わっても黙ったままのときはどうするか
- アプリの再開や再生の操作を試す
- 戻らなければ、会話を始め直す
- 次からは練習の前にモードを入れておく
1つ目で戻らないのは、アプリが自動で戻さない作りのときです。
集中モードを入れたのに電話が鳴ったのはなぜか
許可した連絡先・繰り返しの着信・緊急連絡先の3つは、集中モード中でも着信を通す入口です。
3つとも、集中モードの設定画面と連絡先の画面で見直せます。
まとめ|AI英会話の着信で押さえる3点
最後に3点だけ残します。
- 着信で音を止めるのは端末(iPhoneは音声セッション、Androidは音声フォーカス)
- 通話のあとに戻るかはアプリの作りで分かれる
- 防げるのは練習の前に集中モードやサイレント モードを入れることだけ
この3つが分かっていれば、止まったときに慌てずに済みます。
仕組みの細部は、OSの版が変わると変わることがあります。
一律に書いている解説は、根拠の場所を確かめてください。
迷ったら、練習の前にモードを入れるところから始める。
戻り方そのものは、使っているアプリの公式の説明で確かめてください。
\止まったあとに読める/
通話のあとに会話を始め直すときの注意が分かる
あわせて読みたい記事も置いておきます。
練習中に画面へ出る知らせの仕組みは、通知の記事にまとめました。↓

参考文献も以下にまとめます。
参考文献
- Handling audio interruptions(Apple Developer 公式サイト)
- Manage audio focus(Android Developers 公式サイト)
- Sharing audio input(Android Developers 公式サイト)
- iPhoneの集中モードで通知を許可する/オフにする(Apple サポート 公式サイト)
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